「デグーの飼育は難しい」という声をよく耳にしますが、適切な知識と準備があれば、初心者でも健康で幸せなデグーとの生活を送ることができます。確かに、ハムスターやウサギと比べて特殊な飼育管理が必要とされていますが、それは決して不可能なことではありません。
本記事では、デグー飼育が困難とされる具体的な理由を詳しく解説し、初心者でも成功できる7つのコツを実用的な観点からご紹介します。これからデグーを迎えようと考えている方、すでに飼育中で悩んでいる方にとって、役立つ情報をお届けいたします。※本記事はプロモーションが含まれます
最終更新日:2025年12月6日
記事の読了時間:約12分
この記事で分かること
- ✓デグー飼育が難しいと言われる7つの具体的理由
- ✓初心者でも成功できる飼育の7つのコツと実践方法
- ✓必要な費用と専門病院の見つけ方
- ✓長期飼育で注意すべき重要ポイント
デグー飼育が難しいと言われる7つの理由
このセクションの内容
- •温度と湿度の徹底的な管理が必要
- •糖尿病リスクによる厳格な食事制限
- •専門的な医療費が高額になりやすい
- •尾抜けや尾切れなど特有のトラブル
- •脱走防止と安全対策の重要性
- •なつくまでに時間がかかる個体差
- •エキゾチック対応病院探しの困難さ
デグーの飼育が難しいとされる背景には、この動物特有の生態と健康管理の特殊性があります。一般社団法人日本愛玩動物協会の資料によると、デグーはエキゾチックアニマルに分類され、犬猫とは異なる専門的な知識が求められるとされています。ここでは、多くの飼育者が直面する7つの主な課題について、詳しく見ていきましょう。
理由1:温度と湿度の徹底的な管理が必要
デグーの飼育で最も重要かつ困難とされるのが、温度と湿度の厳格な管理です。南米チリの半砂漠地帯が原産のデグーは、適正温度20~25℃、湿度40~50%という狭い範囲での環境維持が推奨されています。
デグーには汗腺がないため、自力での体温調節が困難とされています。一般的に、室温が28℃を超えると熱中症のリスクが高まり、10℃以下の環境では低体温症を起こす可能性があると言われています。体調に異変を感じた場合は、速やかにエキゾチックアニマル対応の動物病院を受診してください。
日本の気候では、夏場はエアコンによる冷房、冬場は適切な暖房設備が必要不可欠です。さらに、24時間365日の温度監視が求められるため、停電時の対策や外出時の管理も考慮する必要があります。
| 季節 | 主な課題 | 推奨される対策 | 推奨機器 |
|---|---|---|---|
| 夏季 | 熱中症リスク | 24時間エアコン稼働 | エアコン、扇風機、冷却マット |
| 冬季 | 低体温症リスク | 適切な保温 | ペット用ヒーター、ひよこ電球 |
| 梅雨期 | 高湿度による皮膚トラブル | 除湿対策 | 除湿機、換気扇 |
| 通年 | 温度変化への対応 | 監視体制の構築 | 温湿度計、アラーム機能付き機器 |
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温度管理の失敗は、デグーの体調不良に直結する可能性があるため、初心者にとって最も高いハードルとなっています。電気代も年間を通じて相当な負担となることを覚悟する必要があります。
理由2:糖尿病リスクによる厳格な食事制限
デグーは糖分の代謝能力が非常に低い動物として知られており、糖尿病発症リスクが他の小動物と比較して高いとされています。野生では繊維質の多い植物を主食としているため、家庭での食事管理は極めて重要です。
デグーの食事はチモシー(牧草)を主食とし、デグー専用ペレットを補助食とするのが基本とされています。果物、野菜、市販のおやつなど、糖分を含む食べ物は与えないことが推奨されています。
糖尿病を発症したデグーは、白内障、腎不全、神経障害などの深刻な合併症を引き起こす可能性があると報告されています。予防が何より重要とされており、異常を感じた場合は必ず獣医師の診察を受けてください。
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| 食品カテゴリー | 推奨されるもの | 避けるべきもの |
|---|---|---|
| 主食 | チモシー1番刈り(無制限) | – |
| 補助食 | デグー専用ペレット(体重の5%) | ハムスター用、ウサギ用ペレット |
| おやつ | 乾燥ハーブ(少量) | 果物、野菜、市販おやつ全般 |
| 水分 | 新鮮な水(常時) | フルーツジュース、牛乳類 |
また、家族全員が食事制限を理解し、徹底する必要があります。「少しなら大丈夫」という考えが、取り返しのつかない健康被害を招く可能性があるため、初心者には厳格な管理が求められます。
理由3:専門的な医療費が高額になりやすい
デグーはエキゾチックアニマルに分類されるため、一般的な犬猫の診療とは異なり、専門的な知識と技術を持つ獣医師による診療が必要とされています。これにより、医療費は犬猫の診療費と比較して高額になる傾向があります。
エキゾチック動物の診療は自由診療であり、病院によって料金設定が大きく異なります。同じ診療内容でも病院によって2倍以上の価格差が生じることもあると報告されています。
| 診療項目 | 料金相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 初診料 | 3,000~5,000円 | 病院によって大きく異なる |
| 健康診断 | 5,000~15,000円 | 血液検査込みの場合 |
| 歯の処置(不正咬合) | 10,000~30,000円 | 全身麻酔が必要な場合 |
| 尾切れ処置 | 15,000~40,000円 | 入院費別途 |
| 入院費(1日) | 3,000~5,000円 | 集中管理が必要な場合はさらに高額 |
さらに、デグー専用の医療保険は選択肢が限られているのが現状です。大手ペット保険でも、デグーは対象外となっているケースが多く、医療費は全額自己負担となることがほとんどです。
年間の医療費として、健康な状態でも予防的診療で3~5万円程度、体調不良時は10~30万円程度を見込んでおく必要があるとされています。緊急処置が必要になった場合は、さらに高額な費用が発生する可能性があります。
理由4:尾抜けや尾切れなど特有のトラブル
デグーには「尾抜け」「尾切れ」という、他の小動物では見られない特有のトラブルがあります。これは、デグーが野生で捕食者から逃れるために発達させた自切機能が原因で、飼育下でも簡単に発生してしまうとされています。
デグーの尻尾は骨と皮膚の間に皮下組織がほとんどなく、わずかな力でも皮膚が剥がれてしまう構造になっています。一度尾抜けが起こると、骨が露出し、感染症のリスクが高まるため、速やかな獣医師の診察が必要です。
尾抜けや尾切れの主な原因には以下があります:
- 捕獲時の不適切な扱い:尻尾を持って捕まえる
- ケージ内での事故:回し車や金網に挟まる
- 多頭飼育での接触:他個体との接触時
- ストレスによる行動:過度のストレス環境
- 脱走時の事故:家具の隙間に挟まる
対処方法は症状の程度により異なりますが、軽度の場合は消毒と経過観察、重度の場合は外科的処置が必要になることもあります。処置費用は15,000~40,000円程度とされ、術後の管理も長期間必要です。
予防策として、デグーを扱う際は必ず胴体を両手で包み込むように持つ、ケージ内の危険箇所をチェックする、適切なストレス管理を行うことが重要とされています。
理由5:脱走防止と安全対策の重要性
デグーは非常に賢く学習能力が高い動物であるため、ケージの仕組みを覚えて脱走を試みることがあります。また、ジャンプ力と登攀能力に優れているため、一度脱走すると捕獲が困難になります。
家庭内での脱走は、デグーにとって多くの危険をもたらします:
| 危険要因 | 具体的リスク | 対策方法 |
|---|---|---|
| 電気コード | 感電、火災 | コードカバーの設置、配線整理 |
| 小さな隙間 | 挟まり事故、尾切れ | 隙間の封鎖、家具配置の見直し |
| 有毒植物 | 中毒症状 | 観葉植物の撤去、高所への移動 |
| 他のペット | 攻撃による外傷 | 別室での隔離、監視体制 |
| 高所からの落下 | 骨折、内臓損傷 | 危険箇所へのアクセス制限 |
デグーは齧歯類特有の齧る習性があり、家具、壁紙、本などを損傷させる可能性があります。また、誤飲による腸閉塞のリスクも高いため、小さな物品の管理も重要です。
脱走防止の基本対策:
- 適切なケージ選択:デグー専用または小動物用の頑丈なケージ
- 二重ロック機構:ケージ扉の確実な施錠
- 部屋の安全確認:散歩前の危険箇所チェック
- 監視体制:ケージ外活動中の常時監視
- 緊急時対応:脱走時の捕獲方法の事前準備
理由6:なつくまでに時間がかかる個体差
デグーは個体差が非常に大きい動物で、人懐っこい性格の個体から極度に神経質な個体まで幅広い性格を持っています。そのため、「デグーは人懐っこい」という一般的な情報を期待して飼育を始めると、現実とのギャップに悩まされることがあります。
懐きやすい個体の場合でも、信頼関係の構築には最低でも3~6ヶ月程度の時間が必要とされています。神経質な個体の場合は、1年以上かかることも珍しくありません。
個体差に影響する主な要因:
| 要因 | 影響 | 対応方法 |
|---|---|---|
| 遺伝的性格 | 基本的な警戒心の強さ | 個体の性格を受け入れる |
| 早期の社会化経験 | 人間への慣れやすさ | 幼体期からの適切な接触 |
| 過去の経験 | 人間への警戒心 | 時間をかけた慎重なアプローチ |
| 環境ストレス | 警戒心の増大 | 安定した飼育環境の提供 |
信頼関係構築のプロセスは以下のような段階を踏むとされています:
- 環境適応期(1~2週間):新しい環境に慣れるまでは最小限の接触に留める
- 声かけ期(2~4週間):ケージ越しに優しく話しかけ、存在に慣れさせる
- おやつ期(1~2ヶ月):手からおやつを与え、良い印象を植え付ける
- 接触期(2~4ヶ月):軽いタッチから始めて徐々に接触時間を延ばす
- 信頼関係確立期(6ヶ月~):自然な接触と相互のコミュニケーション
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重要なのはデグーのペースに合わせることです。無理に触ろうとしたり、大きな音を立てたりすると、信頼関係構築が大幅に遅れる可能性があります。
理由7:エキゾチック対応病院探しの困難さ
デグーの診療が可能な動物病院は、全国の動物病院の中でも限られているのが現状です。特に地方部では、適切な診療を受けられる病院を見つけることが非常に困難で、車で数時間移動しなければならないケースも珍しくありません。
デグーの診療経験が少ない動物病院での診療は、誤診や不適切な対応のリスクがあるとされています。必ずエキゾチックアニマルの診療実績がある病院を選ぶことが重要です。体調に異変を感じた場合は、速やかに専門病院を受診してください。
エキゾチック対応病院が少ない理由:
- 専門知識の習得困難:大学での教育機会が限定的
- 診療経験の蓄積不足:症例数が少なく経験値が上がりにくい
- 専用設備の必要性:小型動物用の医療機器が必要
- 採算性の問題:患者数が少なく経営的メリットが低い
- 継続的な学習負担:最新情報の取得が困難
| 地域区分 | 対応病院数の目安 | 主な課題 |
|---|---|---|
| 首都圏 | 比較的多い(20~30施設) | 予約が取りにくい、高額 |
| 関西圏 | 中程度(10~15施設) | 病院によって技術差がある |
| 地方中核都市 | 少ない(2~5施設) | 専門性にばらつきがある |
| 地方部・郊外 | 非常に少ない(0~2施設) | 長距離移動が必要 |
適切な病院を見つけるための方法:
- エキゾチック専門病院検索サイトの活用
- デグー飼育者コミュニティでの情報収集
- ペットショップでの病院紹介
- 動物病院への直接問い合わせ
- 複数の病院の確保
緊急時に備えて、複数の病院の連絡先を確保しておくことも重要です。また、夜間や休日の緊急診療に対応している病院は更に限られるため、事前の準備が欠かせません。
初心者が成功する7つのコツ
このセクションの内容
- •コツ1:適切な飼育環境の整備
- •コツ2:温度・湿度管理の徹底
- •コツ3:厳格な食事管理の実践
- •コツ4:日常的な健康チェック習慣
- •コツ5:信頼関係構築の正しい方法
- •コツ6:専門病院の事前確保
- •コツ7:長期的な飼育計画の立案
ここまで、デグー飼育が難しいとされる理由を見てきました。しかし、これらの課題は適切な知識と準備があれば、初心者でも十分に対応可能です。ここからは、実際にデグー飼育を成功させるための具体的な7つのコツをご紹介します。
コツ1:適切な飼育環境を最初から整備する
デグー飼育の成功は、適切な環境整備から始まります。初期投資は必要ですが、一度整備すれば長期間安定した飼育が可能になります。妥協せずに最適な環境を作ることが、結果的にコストを抑えることにつながります。
環境整備の基本原則は「安全性」「快適性」「管理のしやすさ」の3つです。デグーのストレスを最小限に抑えながら、飼い主の負担も軽減する環境を目指しましょう。
必須設備とその選び方:
| 設備 | 推奨仕様 | 価格目安 | 重要度 |
|---|---|---|---|
| ケージ | 幅80cm×奥行50cm×高さ60cm以上 | 15,000~30,000円 | 最重要 |
| 温湿度計 | デジタル式、アラーム機能付き | 3,000~8,000円 | 最重要 |
| 回し車 | 直径25cm以上、静音タイプ | 3,000~6,000円 | 重要 |
| 砂浴び容器 | 深型、飛び散り防止機能 | 2,000~4,000円 | 重要 |
| 給水ボトル | 漏れ防止、容量300ml以上 | 1,500~3,000円 | 重要 |
おすすめのデグー用ケージ
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環境管理のポイント:
- 設置場所の選定:直射日光を避け、風通しの良い場所
- 温度の安定化:エアコンによる24時間管理
- 湿度コントロール:除湿機や加湿器の適切な使用
- 照明管理:自然なリズムを保つための明暗サイクル
- 騒音対策:静かな環境での設置
初期費用として5~8万円程度を見込んでおきましょう。高品質な設備を選ぶことで、故障による買い替えコストや、デグーの健康被害を防ぐことができます。
コツ2:温度・湿度管理を徹底的に行う
デグー飼育で最も重要とされる温度・湿度管理は、24時間365日の継続的な監視が必要です。しかし、適切なシステムを構築すれば、初心者でも無理なく管理できます。
温度管理の成功の鍵は「自動化」と「監視」です。エアコンのタイマー機能、温湿度計のアラーム機能を活用することで、常時監視の負担を大幅に軽減できます。
温度管理の実践ステップ:
- アラーム機能付き温湿度計の設置:適温範囲を外れたら警告
- エアコンの24時間稼働体制:夏は25℃設定、冬は23℃設定
- 補助暖房器具の準備:ペット用ヒーター、ひよこ電球
- 停電対策の準備:保冷剤、カイロ、ポータブル電源
- 外出時の遠隔監視:スマート温湿度計の活用
特に注意が必要なのは季節の変わり目です。朝晩の温度差が大きくなる春・秋は、一日の温度変化を5℃以内に抑えることが推奨されています。
年間の電気代目安:
- 夏季(6~9月):月額8,000~12,000円増
- 冬季(12~3月):月額6,000~10,000円増
- 春秋(その他):月額2,000~4,000円増
- 年間合計:約60,000~100,000円の増加
コツ3:厳格な食事管理を家族全員で徹底する
デグーの食事管理は「糖分ゼロ」を徹底することが基本とされています。家族全員が食事制限のルールを理解し、徹底することが成功の鍵です。
食事管理で最も重要なのは「かわいそう」という感情に流されないことです。デグーの健康を守るためには、厳格なルールを守り続ける必要があります。
食事管理の実践ルール:
基本の食事構成(体重200gのデグーの場合)
-
✓
チモシー1番刈り:無制限で常時提供(主食・約70%)
繊維質が豊富で、歯の健康維持にも重要 -
✓
デグー専用ペレット:1日10g程度(体重の5%)
栄養バランスを整えるための補助食 -
✓
乾燥ハーブ:週2~3回、1回ひとつまみ程度
タンポポ、オオバコなど糖分の少ないもの
おすすめのデグー専用ペレット
絶対に与えてはいけない食べ物
- 果物全般:リンゴ、バナナ、イチゴなど糖分が多い
- 野菜類:ニンジン、サツマイモ、カボチャなど糖質が多い
- 市販おやつ:ハムスター用、ウサギ用を含む全ての市販品
- 人間の食べ物:パン、お菓子、調理済み食品など
家族内でのルール共有方法:
- ケージ付近に「禁止食品リスト」を掲示
- 訪問客にも事前に説明
- 食事時間と担当者を明確化
- 定期的な体重測定で健康確認
コツ4:日常的な健康チェックを習慣化する
デグーの健康管理は「予防が最も重要」という考え方に基づいて行います。病気になってからの対応は困難で高額なため、日常的な予防策に重点を置いた管理が必要です。
毎日の健康チェックを習慣化することで、異変の早期発見が可能になります。わずかな変化も見逃さない観察力を身につけることが大切です。
日常的な健康チェック項目:
| チェック項目 | 正常な状態 | 異常のサイン | 対応 |
|---|---|---|---|
| 食欲 | ペレットを完食、牧草をよく食べる | 食べ残し、食べ物への無関心 | 速やかに獣医師に相談 |
| 排泄物 | 固形で適度な湿り気 | 下痢、便秘、血尿 | 24時間以内に受診 |
| 活動量 | 活発な動き、好奇心を示す | 動きが鈍い、隠れたまま | 環境確認後、改善なければ受診 |
| 被毛 | ツヤがあり、抜け毛が少ない | 毛玉、脱毛、フケ | 皮膚トラブルの可能性、受診検討 |
| 呼吸 | 静かで規則的 | 荒い呼吸、咳、くしゃみ | 呼吸器疾患の可能性、早急に受診 |
主要疾患の予防策:
- 糖尿病予防:厳格な食事管理、定期的な体重測定
- 不正咬合予防:充分な牧草の提供、かじり木の設置
- 皮膚トラブル予防:適切な湿度管理、清潔な環境維持
- 尾抜け予防:正しい扱い方の徹底、ストレス軽減
- 呼吸器疾患予防:温度管理、粉塵の除去
定期健診のスケジュール(推奨):
- 生後6ヶ月まで:月1回の健診
- 成体期(6ヶ月~4歳):年2回の健診
- 高齢期(4歳以降):年3~4回の健診
- 症状がある場合:速やかに受診
重要:体調に異変を感じた場合は、必ずエキゾチックアニマル対応の動物病院で獣医師の診察を受けてください。自己判断での対応は避け、専門家の指示に従うことが重要です。
コツ5:デグーのペースに合わせた信頼関係構築
デグーとの信頼関係構築は「忍耐力」と「一貫性」が鍵となります。焦らず、デグーのペースに合わせたアプローチを継続することで、必ず良好な関係を築くことができます。
デグーは非常に記憶力が良い動物です。一度嫌な経験をすると長期間記憶するため、最初のアプローチが特に重要になります。
段階別アプローチ法:
| 段階 | 期間目安 | 主な活動 | 成功の指標 |
|---|---|---|---|
| 導入期 | 1~2週間 | 環境適応、最小限の接触 | 餌を正常に食べる、隠れなくなる |
| 慣れ期 | 2~4週間 | 声かけ、ケージ越しの交流 | 人の存在に興味を示す |
| 接近期 | 1~2ヶ月 | 手からのおやつ、軽いタッチ | 手から食べ物を取る |
| 信頼期 | 3~6ヶ月 | 積極的な接触、遊び | 撫でられることを受け入れる |
効果的なコミュニケーション方法:
- 声かけの習慣化:毎日同じ時間に優しく話しかける
- 一貫した行動:家族全員が同じ方法でアプローチする
- ポジティブな関連付け:おやつと組み合わせた交流
- ストレスサインの理解:嫌がる時は無理をしない
- 個体差の尊重:性格に合わせたペース調整
デグーが示すストレスサイン:尻尾を振る、歯ぎしり、体を丸める、急激な動き、鳴き続ける。これらのサインが見られたら、いったん距離を置きましょう。
信頼関係が構築された後の楽しみ:
- 名前に反応する:呼びかけに対して反応を示す
- 膝の上でリラックス:安心して体を預ける
- 遊びに誘う:自分から接触を求めてくる
- 感情表現:嬉しい時や不満な時の表現が豊かになる
コツ6:飼育開始前に専門病院を確保する
デグー飼育を始める前に、エキゾチックアニマル対応の動物病院を必ず確保しておくことが重要です。緊急時に慌てて病院を探すのではなく、平常時に複数の選択肢を準備しておきましょう。
病院確保は飼育開始前の最重要準備です。デグーを迎える前に、必ず以下のステップを完了させてください。
病院確保の実践ステップ:
- エキゾチック専門病院の検索
- エキゾチックアニマル検索サイトの活用
- デグー飼育者のSNSコミュニティでの情報収集
- ペットショップでの病院紹介依頼
- 候補病院への電話確認
- デグーの診療実績の確認
- 診療可能な曜日・時間の確認
- 初診料・検査費用の目安確認
- 緊急時の対応体制の確認
- 初回健康診断の予約
- デグーを迎えて1週間以内に予約
- 健康状態のベースライン確認
- 獣医師との相性確認
- 複数病院の連絡先保管
- メイン病院とサブ病院を決定
- 夜間・休日対応病院の確認
- 連絡先をスマホと紙に記録
病院選びのチェックリスト
-
□
デグーの診療実績が豊富(年間10件以上が目安) -
□
エキゾチック専門の獣医師が在籍 -
□
小動物用の医療機器が揃っている -
□
自宅から1時間以内の距離 -
□
診療費用が明確に提示される -
□
飼い主への説明が丁寧
重要:緊急時に備えて、複数の病院の連絡先を確保しておくことを強く推奨します。メイン病院が休診の場合や、セカンドオピニオンが必要な場合に備えましょう。
コツ7:長期的な飼育計画を立てる
デグーの平均寿命は6~8年とされていますが、適切なケアにより10年以上生きる個体もいます。長期飼育では年齢に応じたケアの変更が必要で、特に高齢期(4歳以降)のケアが重要になります。
高齢デグーは若い頃とは異なる特別なケアが必要です。活動量の低下、免疫力の低下、慢性疾患のリスク増加などに対応した管理が求められます。
参考記事
アフリカヤマネの寿命は平均7年!長生きをサポートする飼育のコツ
温度管理が寿命に直結する小動物の長期飼育について、エキゾチックアニマルの観点から詳しく解説しています。デグーの長期飼育にも応用できる情報が満載です。
年齢別ケアのポイント:
| 年齢区分 | 主な変化 | 必要なケア | 注意すべき疾患 |
|---|---|---|---|
| 幼体期 (~6ヶ月) |
急速な成長 | 栄養管理、環境適応支援 | 消化器トラブル、外傷 |
| 成体期 (6ヶ月~4歳) |
安定した健康状態 | 標準的な日常ケア | 糖尿病、不正咬合 |
| 中高齢期 (4~6歳) |
活動量の漸減 | 健診頻度の増加 | 白内障、関節疾患 |
| 高齢期 (6歳~) |
各機能の低下 | 特別な高齢者ケア | 腫瘍、心疾患、腎疾患 |
高齢期の特別ケア:
- 食事の調整:消化しやすい形状への変更、少量頻回給与
- 環境の改善:段差の軽減、滑り止めの設置
- 温度管理の強化:より狭い温度範囲での管理
- 健診頻度の増加:3~4ヶ月毎の定期検査
- ストレス軽減:環境変化の最小化
高齢デグーは体調変化が急激に起こることがあります。日常の観察をより注意深く行い、わずかな変化も見逃さないようにしましょう。異変を感じた場合は、速やかに獣医師に相談してください。
長期飼育のための心構え:
- 経済的準備:医療費の増加に備えた資金計画(年間5~10万円程度)
- 時間の確保:より丁寧なケアのための時間配分
- 知識の更新:最新の飼育情報の継続的学習
- 支援体制:緊急時に頼れる人・病院の確保
- 心の準備:いずれ訪れる別れへの覚悟
デグーの生涯にわたる飼育費用は、総額で50~100万円程度が目安とされています。初期費用、毎月の消耗品費、医療費、緊急時の費用などを含めた長期的な資金計画を立てておくことが重要です。
デグーの衛生管理に必須のアイテム
よくある質問(FAQ)
Q: デグー飼育の初期費用はどれくらいかかりますか?
A: 初期費用として5~8万円程度が目安とされています。内訳は、ケージ(15,000~30,000円)、温湿度計(3,000~8,000円)、回し車・給水器・砂浴び容器などのアクセサリー(10,000~20,000円)、初回の食料品(5,000~10,000円)です。これに加えて、デグー本体の購入費用(5,000~20,000円)が必要です。
Q: デグーは一人暮らしでも飼えますか?
A: 一人暮らしでも飼育は可能ですが、いくつかの条件があります。24時間の温度管理が必要なため、エアコンの常時稼働が前提となります。また、長時間の外出時や旅行時の対応、緊急時に頼れる人の確保が重要です。経済的にも、毎月の電気代増加(8,000~12,000円程度)と消耗品費(2,000~5,000円程度)を負担できることが条件となります。
Q: デグーがなつくまでどれくらいかかりますか?
A: 個体差が非常に大きいですが、一般的には3~6ヶ月程度が目安とされています。懐きやすい個体の場合は1~2ヶ月で手から食べ物を取るようになりますが、神経質な個体の場合は1年以上かかることもあります。重要なのは焦らず、デグーのペースに合わせてゆっくりと信頼関係を築くことです。
Q: デグーを飼育する上で最も大変なことは何ですか?
A: 多くの飼育者が最も大変と感じるのは、24時間365日の温度管理とされています。特に夏場の熱中症対策と冬場の低体温症対策は気が抜けません。次に大変なのが厳格な食事管理で、家族全員が「糖分ゼロ」のルールを徹底する必要があります。また、専門病院が少ないことも、特に地方在住者にとっては大きな課題となっています。
Q: デグーの医療費はどれくらいかかりますか?
A: 年間の医療費は、健康な状態で予防的診療を受ける場合で3~5万円程度、体調不良時は10~30万円程度が目安とされています。初診料は3,000~5,000円、健康診断は5,000~15,000円、歯の処置は10,000~30,000円程度です。デグー専用の医療保険は選択肢が限られており、多くの場合は全額自己負担となります。
Q: デグーにはどんな餌を与えればいいですか?
A: デグーの基本食は、チモシー1番刈り(主食・無制限)とデグー専用ペレット(体重の5%程度)です。果物、野菜、市販のおやつなど糖分を含む食べ物は一切与えてはいけません。おやつとしては、乾燥ハーブ(タンポポ、オオバコなど)を週2~3回、少量与える程度にとどめます。常に新鮮な水を用意することも重要です。
参考文献・情報源
- 動物愛護団体:一般社団法人日本愛玩動物協会「エキゾチックアニマル飼育ガイドライン」
- 専門書籍:小動物臨床研究会「エキゾチックアニマル診療マニュアル」
- 学術論文:Journal of Exotic Pet Medicine「Degu Health Management」
- 公式サイト:三晃商会「デグー飼育ガイド」
- 飼育者コミュニティ:デグー飼育者SNSグループでの実体験情報
免責事項
本記事の情報は、一般的な飼育情報として提供するものであり、個々のデグーの健康状態や特性に応じた専門的なアドバイスではありません。デグーの健康に関する判断や対応については、必ずエキゾチックアニマル対応の動物病院で獣医師の診察を受け、専門家の指示に従ってください。本記事の情報を利用したことによる直接的または間接的な損害について、当サイトは一切の責任を負いません。飼育前には必ず専門家に相談し、十分な準備と理解のもとで飼育を開始してください。
まとめ:デグー飼育成功の鍵
デグーの飼育は確かに難しい面もありますが、適切な知識と準備があれば初心者でも成功できます。重要なのは以下の7つのコツです:
- 適切な飼育環境の整備:初期投資を惜しまず、デグーに最適な環境を作る
- 温度・湿度管理の徹底:24時間365日、20~25℃を維持する
- 厳格な食事管理:糖分ゼロを家族全員で徹底する
- 日常的な健康チェック:毎日の観察で異変を早期発見する
- 信頼関係の構築:デグーのペースに合わせて焦らず進める
- 専門病院の事前確保:飼育開始前に複数の病院を確保する
- 長期的な飼育計画:経済的・時間的な準備を含めた計画を立てる
これらを心がけることで、デグーとの豊かな生活を実現できるでしょう。まずは信頼できるエキゾチック動物病院を見つけることから始めましょう。適切なサポート体制があれば、デグー飼育の難しさも乗り越えることができます。
初心者が成功するための最重要ポイント:
- 飼育開始前の徹底的な情報収集と準備
- 経済的な余裕(初期費用8万円+月額1~2万円+緊急医療費)
- 24時間温度管理できる住環境
- 家族全員の理解と協力
- 最低6~8年の長期的な飼育コミットメント
デグーは適切な飼育をすれば、非常に魅力的なコンパニオンアニマルです。難しいからこそ、成功した時の喜びも大きいものです。十分な準備と覚悟を持って、素敵なデグーライフを始めてください。










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