愛猫におすすめのキャットフードはどれ？柔らかいドライフード6選と正しい選び方

柔らかいドライフードが必要な理由と正しい選び方のポイント

シニア猫や歯の問題で硬いフードが食べにくくなったとき

愛猫が年齢を重ねるにつれて、これまで当然のように食べていた硬いドライフードを食べにくそうにする姿を見かけることがあります。一般的に、猫は7歳頃からシニア期に入るとされており、この時期から徐々に身体機能の変化が現れ始めることが知られています。

特に注意したいのが口腔内の変化です。高齢猫では歯肉炎や歯周病などの口腔トラブルが増加する傾向があり、硬いフードを噛むときに痛みを感じる場合があります。また、噛む力（咀嚼力）の低下により、従来のドライフードでは十分に咀嚼できず、消化不良を起こす可能性も指摘されています。

これらの症状が見られた場合、愛猫にとって食べやすい食事形態を検討する時期かもしれません。ただし、急激な食欲低下や口腔内の異常が疑われる場合は、速やかに獣医師にご相談いただくことをおすすめします。

柔らかいドライフードは、従来のドライフードの利便性を保ちながら、食べやすさを向上させた食事形態として注目されています。水分含有量を適度に保ちつつ、噛む力が弱くなった猫でも安心して食べられるよう設計されており、多くの飼い主さんから好評をいただいている傾向があります。

ソフトドライ・セミモイスト・エアドライの違いと特徴

柔らかいドライフードには、主に3つのタイプがあり、それぞれ製造方法や特徴が異なります。愛猫に最適なフードを選ぶためには、これらの違いを理解することが重要です。

フードタイプ	水分含有量	特徴	適している猫
ソフトドライ	25-35%	発泡処理で柔らかく、ふっくらとした食感	噛む力が弱くなった猫
セミモイスト	25-35%	しっとりとした食感、嗜好性が高い	食いつきの悪い猫
エアドライ	14-18%	自然乾燥で栄養素保持、高品質	品質重視の飼い主さん

ソフトドライフードは、加熱発泡処理により空気を含んだ構造になっており、ドライフードよりも柔らかい食感が特徴です。水分含有量は25-35%程度で、一般的なドライフード（10%以下）と比較してしっとりとしています。

セミモイストフードは、ソフトドライと同程度の水分含有量ですが、発泡処理を行わないため、より密度が高く、しっとりとした食感が楽しめます。多くの猫が好む傾向があり、食いつきの改善が期待される場合があります。

エアドライフードは、低温で時間をかけて自然乾燥させる製法で作られており、熱による栄養素の破壊を最小限に抑えているとされています。水分含有量は他の2つよりも少ないものの、従来のドライフードよりは柔らかく、高品質な原材料を使用している製品が多い傾向があります。

柔らかいドライフードを選ぶ5つの重要なポイント

愛猫に適した柔らかいドライフードを選ぶ際は、以下の5つのポイントを考慮することが推奨されています。これらの基準を参考に、愛猫の健康状態や好みに合った製品を選択しましょう。

総合栄養食の表示は、そのフードだけで猫の健康維持に必要な栄養素が摂取できることを示しています。一般食や副食の表示がある製品は、トッピングやおやつとしての使用が想定されており、主食としては適さない場合があります。

原材料については、肉食動物である猫の栄養要求を満たすため、動物性タンパク質が豊富に含まれている製品を選ぶことが一般的に推奨されています。原材料は含有量の多い順に記載されているため、最初に記載されている原材料（第一主原料）が肉類や魚類であることを確認しましょう。

添加物については、柔らかいフードは保存性を保つために一定の保存料が使用される場合があります。BHAやBHTなどの合成酸化防止剤を避けたい場合は、天然由来の酸化防止剤（ビタミンE、ローズマリー抽出物など）を使用している製品を選択する方法もあります。

愛猫の年齢や健康状態に合わせた選び方

柔らかいドライフードの選択は、愛猫の年齢、健康状態、個体差を総合的に考慮することが重要です。一般的なライフステージ別の考慮点をご紹介しますが、個々の猫の状況は異なるため、心配な点がある場合は獣医師にご相談ください。

子猫期（生後12ヶ月まで）では、急速な成長に必要な高カロリー・高タンパク質の栄養が求められる傾向があります。柔らかいフードが必要になるのは、乳歯から永久歯への生え変わり時期や、硬いフードに慣れていない場合などが考えられます。子猫用として設計された製品や、全年齢対応の高栄養価フードが適している場合があります。

成猫期（1歳〜7歳頃）は、健康維持を目的とした栄養バランスが重要とされています。この時期に柔らかいフードが必要になる場合は、歯科疾患や顎の問題、食いつきの改善などが理由として考えられます。成猫用の総合栄養食から、食べやすい形状のものを選択することが一般的です。

シニア期（7歳以上）では、消化機能の変化や活動量の低下を考慮した栄養設計が推奨される場合があります。カロリー調整、関節サポート成分、腎臓への配慮などが含まれたシニア向け製品も多数販売されています。

ライフステージ	主な特徴	フード選択のポイント
子猫期	急速な成長期	高カロリー・高タンパク質設計
成猫期	健康維持期	バランスの取れた栄養設計
シニア期	身体機能の変化期	消化しやすく、健康維持をサポート

健康状態については、特に口腔内のトラブル（歯肉炎、歯周病など）、消化器系の問題、腎臓疾患などがある場合は、それぞれに適した食事療法が必要になることがあります。これらの疾患が疑われる場合や診断されている場合は、必ず獣医師の指導のもとでフード選択を行ってください。

愛猫におすすめ！柔らかいドライフード厳選6選

【1位】プレミアム品質のエアドライフード「ジウィピーク」

ニュージーランド産の高品質エアドライフード「ジウィピーク」は、柔らかいドライフードの中でも特に品質にこだわりたい飼い主さんにおすすめの製品です。原材料の96%が肉類で構成されており、猫本来の食性に近い栄養バランスを実現しているとされています。

エアドライ製法は、75℃以下の低温で時間をかけて水分を除去する方法で、高温処理による栄養素の破壊を最小限に抑えることができるとされています。この製法により、生肉に近い栄養価を保ちながら、保存性を確保しているという特徴があります。

ジウィピークは穀物を一切使用しないグレインフリー設計で、肉食動物である猫の消化器官に配慮した設計となっています。ただし、高タンパク質のため、腎臓疾患などがある猫には適さない場合があります。健康状態に不安がある場合は獣医師にご相談ください。

【2位】国産安心品質「キャットヴォイス」セミモイストフード

国産品質にこだわりたい飼い主さんにおすすめなのが「キャットヴォイス」です。水分含有量30%のセミモイストタイプで、グレインフリー設計により穀物アレルギーを持つ猫にも配慮されています。

キャットヴォイスの最大の特徴は、原材料の85%が肉類で構成されていることです。ローストチキンをベースに、サーモンやツナなどの魚類をバランス良く配合し、猫が本能的に好む味わいを追求しているとされています。

国産という安心感に加えて、機能性にも配慮されているのがキャットヴォイスの魅力です。大麦若葉には食物繊維が豊富に含まれており、毛玉の自然な排出をサポートする可能性があるとされています。また、下部尿路の健康維持に配慮した成分配合も行われています。

セミモイストタイプのため、嗜好性が高く、食いつきの改善が期待される場合があります。ただし、開封後は冷蔵保存が必要で、早めの消費が推奨されています。

【3位】海外製高品質「オーブンベイクドトラディション」

カナダ製の「オーブンベイクドトラディション」は、独自のオーブンベイク製法により、従来のドライフードよりも柔らかい食感を実現したセミモイストフードです。348.3kcal/100gの高エネルギー設計で、食が細くなったシニア猫にも適しているとされています。

オーブンベイク製法は、通常の高温乾燥処理とは異なり、低温でじっくりと時間をかけて焼き上げる方法です。この製法により、食材本来の風味と栄養を保ちながら、適度な柔らかさを実現しているという特徴があります。

フィッシュ味のバリエーションでは、新鮮な魚類を主原料とし、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸などの必須脂肪酸を自然な形で摂取できる設計となっています。これらの脂肪酸は、皮膚・被毛の健康維持に重要な役割を果たすとされています。

2.27kgの大容量パックで提供されているため、多頭飼いの家庭や長期間の使用を想定している場合に経済的なメリットがある場合があります。ただし、開封後は適切な保存が必要で、湿気や酸化を防ぐための密閉保存を心がけてください。

【4位】動物病院でも推奨「ロイヤルカナン エイジング12+」

フランス発祥のペットフードブランド「ロイヤルカナン」は、多くの動物病院で推奨されているブランドのひとつです。「エイジング12+」は、12歳以上の高齢猫専用に設計されたドライフードで、年齢に応じた栄養調整が行われているとされています。

高齢猫の特徴的な身体変化に配慮し、腎臓の健康維持に重要とされるリンの含有量を調整し、消化しやすいタンパク質を使用している点が特徴です。また、関節の健康維持に役立つとされる成分も配合されています。

ロイヤルカナンの製品は、栄養学的な研究に基づいた設計が行われており、多くの獣医師が推奨している理由のひとつとされています。粒のサイズや硬さも高齢猫が食べやすいよう調整されており、噛む力が弱くなった猫でも比較的食べやすい設計となっています。

ただし、特定の疾患がある場合は、獣医師の指導のもとで食事療法用フードの検討が必要な場合があります。エイジング12+は一般的なシニア向けフードであり、療法食ではないことにご注意ください。

【5位】コスパ重視なら「ピュリナワン」

コストパフォーマンスを重視しながらも、一定の品質を求める飼い主さんにおすすめなのが「ピュリナワン」シリーズです。大手メーカーのネスレが手がけるブランドで、手頃な価格でありながら総合栄養食としての基準を満たしている点が魅力です。

ピュリナワンの「美味を求める成猫用 サーモン&ツナ」は、魚好きの猫に適したレシピで、サーモンとツナを主原料として使用しています。500g×4袋の小分けパッケージにより、開封後の品質劣化を防ぎつつ、使いやすさも考慮されています。

ピュリナワンは着色料無添加で、猫の健康に不要とされる着色料を使用していない設計です。また、尿路の健康維持に配慮したミネラルバランスの調整も行われており、成猫の日常的な健康管理をサポートする設計となっています。

価格帯を考慮すると、継続しやすく、多頭飼いの家庭でも経済的負担を抑えながら品質の良いフードを提供できる選択肢のひとつです。ただし、原材料にはトウモロコシなどの穀物も含まれているため、穀物アレルギーがある猫には適さない場合があります。

【6位】手軽に試せる「ママクック フリーズドライ」

フリーズドライタイプの「ママクック」は、主食としてではなく、トッピングやおやつとして活用できる柔らかい食材です。フリーズドライ製法により、素材本来の栄養と風味を保ちながら、水分を加えることで柔らかい食感を楽しむことができます。

ムネ肉とスナギモのミックスタイプで、猫が好む部位を組み合わせています。130gという手頃な容量で、初めて柔らかいフードを試したい場合や、既存のドライフードにトッピングとして加えたい場合に適しています。

フリーズドライ製法は、-30℃以下の低温で凍結させた後、真空状態で昇華させて水分を除去する方法です。この製法により、熱による栄養素の破壊を最小限に抑え、素材本来の味わいと栄養価を保持できるとされています。

使用方法は簡単で、適量を器に取り、ぬるま湯を加えて数分待つだけで柔らかい食材として利用できます。一般食扱いのため、主食としての使用ではなく、総合栄養食と組み合わせての使用をおすすめします。

柔らかいキャットフードの正しい与え方と保存方法

柔らかいキャットフードを安全で効果的に与えるためには、適切な与え方と保存方法を理解することが重要です。特に水分含有量の多いフードは、通常のドライフードとは異なる配慮が必要になります。

ドライフードのふやかし方については、以下の手順が一般的に推奨されています：

ふやかしたフードは、作成後できるだけ早く（20分以内が目安）与えることが推奨されています。時間が経過すると細菌の繁殖リスクが高まり、栄養価の低下も起こる可能性があります。

保存方法については、フードタイプごとに注意点が異なります：

フードタイプ	未開封時の保存	開封後の保存	消費期限の目安
ソフトドライ	冷暗所で常温保存	密閉して冷暗所	開封後2-3週間
セミモイスト	冷暗所で常温保存	密閉して冷蔵保存	開封後1-2週間
エアドライ	冷暗所で常温保存	密閉して冷暗所	開封後1ヶ月程度

給餌量については、各製品のパッケージに記載されている推奨量を参考にしつつ、愛猫の年齢、体重、活動量に応じて調整することが重要です。柔らかいフードは嗜好性が高いため、食べ過ぎによる肥満にも注意が必要です。

フードの切り替えを行う場合は、7-10日程度かけて段階的に行うことが一般的に推奨されています。急激な変更は消化不良を引き起こす可能性があるため、既存のフードに少しずつ新しいフードを混ぜながら、徐々に比率を変えていく方法が安全とされています。

よくある質問（FAQ）

参考文献・情報源